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2005.09.09

9.11衆議院総選挙を前にして

 8月8日に、小泉首相が郵政法案の否決を受けて衆議院を解散し、衆議院総選挙が、いよいよ9月11日に投票日を迎えようとしている。

 小泉自民党はこの選挙を「郵政民営化」だけが争点であるとして、それにイエスかノーかだけをこの選挙で問うのだとしており、今のところ、そのわかりやすい戦術が功を奏したのか、選挙前の世論調査を見る限り、与党優勢の情勢となっている。

 しかし、今回の選挙は、それだけが争点と考えることはできない。昨日発売の「日刊ゲンダイ」(9月9日号1、2面)がその点を鋭く突いている。
 

「ウソで塗り固められたささいな争点。それにバカ騒ぎしている今回の選挙は、まさに付ける薬なしだ。」
 「小泉首相が生きているかどうかも分からない12年も先のことなんて、どうでもいい。大事なのは、この1年、2年中に解決しなければいけない内外の諸問題だ。たとえば1000兆円を超える日本の借金問題はどうするつもりなのか。小泉首相は『郵政が民営化されれば』と叫んでいるが、バカを言っちゃいけない。そんな先まで財政再建を延ばしていたら、国家財政は破綻だ。」(郵政が民営化されるのは2017年のこと)
 「今回の総選挙の焦点・争点は歴然だ。目くらまししかできない悪質小泉政治をまだ続けさせるのか、それともマトモな政治で国を立て直すのか。この一点しかないのである。」

 ところが、ワイドショーを中心とするテレビは、やれ「刺客」だ何だと、視聴率をとるために、選挙を面白おかしく紹介し、小泉自民党の戦術に見事にはまっている。それを批判的に報じるテレビや新聞はほとんどない。

 郵政民営化の果てにあるものは、国民が預けた350兆円について、それを引き継いだ民間会社を破綻させ、その処理のために、アメリカ企業がそれを引き継ごうとしていることはほぼ明らかである。その密約があると言われている。

 政治評論家の森田実の政治日誌は、この点について次のように述べているが、極めて注目すべきである。

米国通の友人H氏から、『ウォールストリート・ジャーナル』2005年8月8日号のインターネット版記事の一部が送られてきた。  『ウォールストリート・ジャーナル』は「郵政民営化法案は廃案となったが、これは手取りの時期が少し延びたに過ぎない。ほんの少し待てば、われわれは3兆ドルを手に入れることができる」との見方を述べている。  3兆ドルとは、国民が郵政公社に預けている350兆円のことである。ウォール街は、9月11日の総選挙で小泉首相が勝利し、総選挙後の特別国会で郵政法案を再提出し、成立させると信じているようである。  H氏によると、これを確実にするため、ウォール街は、多額の広告費を日本に投入し、日本のテレビを動員して、日本国民をマインドコントロールして、小泉首相を大勝利させる方向に動いている。 (2005年森田実政治日誌[230] 2005.8.10)

 また、森田氏の最近の日誌には、次のように述べられている。

テレビ界ウォッチャーのQ君から電話がかかってきた。  「9月11日の投票日に向けて、テレビ局の上層部から、現場に対して“民主党攻撃を強化せよ! 徹底的にやれ! 視聴者の偏向報道批判など問題ではない! 小泉政権を守れ! 何がなんでも勝利させろ! 放送法違反などという批判は気にするな!”との強い指示があったと、テレビ局内部の友人から知らせがきました。テレビ局上層部は“小泉首相を勝たせるためにはどんなことをしてもかまわない。誤報もおそれるな”という姿勢だそうです。おそろしいことになってきました。テレビ局は狂気です。ファシズムです。このことを国民に知らせてくれませんか。  テレビ局は異常です。これをとめるには、視聴者が、テレビ局へ電話等で抗議するしか方法がないと思います。各野党からも抗議する必要があります。候補者はみなマスコミをおそれ、遠慮しています。  新聞は、記事と世論調査と投書欄で情報操作しています。  日本は危機です。テレビと大新聞が、小泉政権・自民党・公明党の宣伝隊になってしまいました。日本人の心が権力者とその手先のマスコミによって弄ばれています。」 (2005年森田実政治日誌[313] 2005.9.5(その1))

 これを見て、最近の報道がおかしいことの意味が初めてよく分かった。しかし、大部分の国民はこのような事実を知らずに、連日、大量にたれ流される小泉自民党のプロパガンダを見せられているのである。
 私は、選挙の公示日以来、テレビのニュースやワイドショーをなるべく見ないようにしている。気分が悪くなってしまうからである。

 いずれにしても、衆議院総選挙は、主権者であるはずの私たち国民が、その意思表示をする格好の機会であることは確かである。この選挙が終われば、当分、衆議院総選挙はないかもしれない。また、今回の選挙で小泉自民党が勝利すれば、小泉首相はあと1年の任期で退任すると明言しているが、簡単に任期が延長されるかもしれない。

 国民が預けた350兆をアメリカのハゲタカ・ファンドに売り渡すための郵政民営化だけに血道をあげ、それ以外の内政・外交問題については頬被りをして何もしようとしない小泉自民党を選ぶのか、それを拒否するのかが今回の選挙の真の争点である。その意味で、「政権選択」のための選挙である。

 私たちは、真の争点を見抜いて、自分の意思を明確に表示する必要がある。ムードに流されて、人気投票のような気分で投票すべきではない。私たちの1票は、明日からの日本の政治を決める大切な1票である。
 なお、衆議院総選挙に併せて、最高裁判所裁判官国民審査も行われる。ここでも「×」を付けて明確な意思表示をしたい。

【Today's Back Music】
 Saya / Timeless (PCCY-30072)
 ジャズ・ピアニストのsayaの新譜で、クラシックの名曲をセレクションしたジャズ・クラシック・ベスト集です。最近、毎日のように聴いています。透明感のあるサウンドで飽きが来ません。

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