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2006.12.01

教育基本法改正案、防衛「省」昇格法案の成立確実の中で、いよいよ共謀罪法案の審議入りが迫っている

 11月30日、防衛庁の省昇格関連法案が衆院本会議で、自民、公明、民主、国民新党などの賛成多数で可決されて、参議院に送付された。これでこの法案は、今臨時国会での成立が確実と見られている。
 また、教育基本法改正案は、参議院特別委員会で、11月22日の実質審議入りからほぼ連日にわたって審議を続けており、与党は、12月7日に特別委員会での採決、12月8日には参議院本会議での採決・成立を目指していると伝えられている。

 このように、問題法案が、安倍政権の下で、次々と成立を確実にしている。

 教育基本法改正案の問題点については先日詳しく述べたが、防衛庁の省昇格関連法案にも大きな問題がある。
 すなわち、同法案は単なる「看板」の掛けかけではなく、関連法案の中にある自衛隊法改正案によって、自衛隊の「海外派兵」が「本来任務」となることになっている。これによって、自衛隊は、名実共に「軍隊」となることが確実となった。

 憲法9条2項が「(前項の目的を達するため)陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」として軍隊を持つことを禁止しているにもかかわらず、憲法改正を先取りして、自衛隊法改正によって、自衛隊を、いつでも「海外派兵」可能な軍隊と位置付けようとしているのである。
 そして、来年の通常国会には、いつでも自衛隊を恒久的に海外派兵できる根拠となる法案が提出される予定となっており、着々と、憲法9条の改正を先取りする動きが続くことになる。

 このような動きの中で、先週末から、衆議院法務委員会の理事会では、与党理事から、共謀罪法案の審議入りを求め、これに対して野党理事から強い反対がなされて、次にどの法案を審議するか決まらない状態が1週間近く続いている。

 これまでは、11月30日の防衛庁の省昇格法案の衆議院での採決を見据えて、与党側も、共謀罪法案の審議入りを強行することはなかった。
 しかしながら、防衛庁の省昇格法案が衆議院で可決されて、今臨時国会での成立が確実になるとともに、教育基本法改正案についても、参議院での採決の日取りが明らかとされ、今臨時国会での成立が確実になった現在、与党としては、共謀罪法案の審議入りをして強行採決をした場合の波及効果を心配する必要はほとんどなくなっている。

 このような状況の中で、早ければ今日(12月1日)にも、衆議院法務委員会で、共謀罪法案が審議入りをし、短時間の審議を行った後、与党による強行採決がなされる危険性が極めて高まっている。

 与党としては、何としても、今臨時国会で、共謀罪法案を成立させるか、少なくとも衆議院は通過させておきたいところであり、そろそろ日程的に見ても限界に来ている。

 先週末から今週前半にかけて、衆議院法務委員会の理事会では、与党理事と野党理事との間ではお互いを罵り合ったり怒号が飛び交うなど、極めて険悪なムードが漂い、異常な雰囲気になっていると伝えられている。

 この間、アメリカが、国連越境組織犯罪防止条約留保していた問題について、野党は、これまでの審議で政府が嘘をついていたとして、審議入りや採決をする条件の前提を欠いていると批判している。これに対して、外務省総合政策局人道人権課組織犯罪対策室が、11月27日付けで、「米国が国際組織犯罪防止条約の締結に際し付した留保について」と題する文書を国会議員に示している(この内容と、それに対する批判については、社民党の保坂展人衆議院の「どこどこ日記」に詳しい)。

 政府や野党としては、衆議院法務委員会で審議をして答弁すると、それを巡って議論が紛糾することを恐れて、文書で回答して、それでこの問題を終わりにしようとする魂胆だと考えられる。しかしながら、この文書は、これまでの疑問に対して正面から答える内容となっていないと言わざるを得ない。

 そもそも、この間出されてきた、そもそも、国連越境組織犯罪防止条約を批准するために、600以上もの共謀罪を新設しなければならないのかという根本的な問いかけに対して、政府や与党は正面から答えようとしていない。これは、刑法の大原則をひっくり返そうとする立法をしようとする側の態度としては極めて不誠実であると言わなければならない。

 いずれにしても、明日から来週にかけて、共謀罪法案についても審議入り、そして採決の動きが具体化する可能性が極めて高い。

 ほとんどのマスコミがこのような緊迫した情勢を取り上げず、法案の危険性や問題点をほとんど報じない中で、多くの市民がこのような情勢であることを知らないまま、悪法が成立させられる動きだけが確実に進められている。

 1999年の通常国会(日の丸・君が代法やガイドライン法、盗聴法等が成立させられた国会)に続いて、今臨時国会は、日本の歴史上大きなターニングポイントだったと後から評価されることだろう。
 安倍政権は、確実に、国家主義、軍国主義に向けて大きな一歩を踏み出そうしている。

 私たちは、今まさにそういう時代を生きている。私たちに、今何ができるのか、一人一人が、その場で考えつつ、最後まであきらめないで、それぞれができる行動を起こしていきたい。

【Today's Back Music】
 George Benson & Al Jarreau/Givin' It Up(UCCM-2002)
  ジョージ・ベンソンとアル・ジャロウのコラボ・アルバム。“ブリージン”に歌詞をつけてアル・ジャロウが歌うのは圧巻。多くのゲストを迎えて、質の高いサウンドに仕上がっている。

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