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2007.03.07

野党4党の共謀罪対策チーム第1回勉強会に出席して

 民主党、共産党、社民党、国民新党の野党4党の有志議員が、3月6日、「共謀罪対策チーム」を発足させ、第1回の勉強会を開催した。事務局長の平岡秀夫衆院議員(民主党)ら国会議員約15人が参加した(MSN-Mainichiの記事)。野党がこの問題について一同に会することの意義は大きい。

 この日は、日弁連からのヒアリングも行われ、海渡雄一弁護士などと一緒に私も出席した。海渡弁護士を中心に、日弁連の最新の意見書(2006年9月17日付)を紹介しつつ、共謀罪法案に対する検討経過などを報告した。

 この日は、特別ゲストとして、アメリカから来日している国際弁護士のアルフレッド・ランバーモント・ウェーバー(Alfred Lambremont Webre)氏が参加され、外務省が公表している「米国・国務省から日本政府への書簡」(保坂展人のどこどこ日記2006年11月30日付「[資料]共謀罪、米国・国務省から日本政府への書簡」に日本語訳が掲載)について、批判的な発言を行った。

 その概要は、保坂議員のブログ(保坂展人のどこどこ日記2007年3月6日付「四野党「共謀罪対策」チームで米国からの報告」)で詳しく紹介されているが、私が直接聞いた記憶で、簡単に要点をまとめると以下の3点であった。

 (1)アメリカでは、州法と連邦法とは全く管轄(適用範囲)を異にしている。州内で行われたほとんどの行為は州法の対象である。州法が不十分な場合に連邦法がカバーすることはありえない。

 (2) 上記の書簡は、共謀罪とRICO法とを意図的に混同し、混乱させるように記述がなされている。

 (3) 日本は、新たな立法をすることなく、国連組織犯罪防止条約を批准することが可能であり、新たな立法をする必要はない。

 なお、参加していた江田五月議員から、「アメリカのRICO法は団体を直接規制する法律であるが、日本には団体規制を認めた法律は破防法等少なく、我が国の法体系の上では例外である。共謀罪は、一見すると団体を規制するように見えて個人責任を追及する法律となっており、その点で問題がある」との指摘があった。

 いずれにしても、アメリカ合衆国のうち、アラスカ州、オハイオ州およびバーモンド州において極めて限定的な共謀罪しか有しておらず(アラスカ州が14、オハイオ州が21、バーモント州で17)、それを踏まえて、アメリカ合衆国が、国連組織犯罪防止条約の5条を留保して同条約を批准したことは明確な事実であり、我が国においても、同様の方法で同条約の批准が可能であることが改めて確認された(ちなみに、我が国の現行法上、共謀罪・陰謀罪は21あるので、オハイオ州と同じ状況にある)。

 ところで、自民党の「条約刑法検討に関する小委員会」は、2月27日、「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の修正案要綱をまとめたと報じられている。
 そこでは、共謀罪の名称を「テロ等謀議罪」に変更するとともに、政府案では、対象犯罪を長期4年以上の罪としていた対象犯罪を、テロ、薬物、銃器、密入国・人身取引、組織犯罪の5分野に限定し、600超から4分の1以下に絞り込む内容とされている。

 この手法は、かつての通信傍受法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)の制定時の手法と似ている。その当時、反対運動が盛んに行われる中で、与党は、「盗聴法」と呼ぶことをマスコミに禁ずるとともに、盗聴の対象犯罪を、組織的殺人、薬物、銃器、密入国の4分野に限定する修正案をまとめて、最終的に与党多数で可決したという経緯がある。
 おそらく、今回の自民党小委員会はその当時の手法を学んだものと思われる。そして、それは、与党だけによる「強行採決」をも睨んだものだろうと推測される。

 しかしながら、これまでに、国連犯罪防止条約批准のために新たに共謀罪立法をした国が2カ国(ノルウェーとブルガリア)しかないこと、アメリカ合衆国も条約5条を留保して批准していることなどの事実が次々と明らかになり、政府の答弁が事実を隠蔽したり事実に反していたことが明らかになっている。

 話し合っただけで犯罪となり、市民と市民のコミュニケーションそれ自体を犯罪として摘発し、そのコミュニケーションを取締りの対象とする共謀罪法案は何としても廃案にするしかない。

 与党は、参議院選挙を控えて、今通常国会では「死んだふり」を続けるようであり、参議院選挙の後の秋の臨時国会で一気に採決に持ち込もうと、虎視眈々と準備を進めている。
 私たちは、その策動を見抜いて、共謀罪法案が審議入りできないような反対運動を展開していく必要がある。そう決意した今日の会合であった。

【Today's Back Music】
 中西保志/Standards(TLCA-73156)
 「最後の雨」が有名な中西保志の新譜は、これもJ-POPの名曲のカバーが収録されている。全体的にバラード調の静かなアレンジが施されていて癒してくれる。ボーナストラックとして「最後の雨2007」が収録されている。

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