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2009年8月 4日 (火)

【映画】「接吻」

映画「接吻
監督 万田邦敏
音楽 長嶌寛幸
脚本 万田珠実 、万田邦敏
キャスト 小池栄子、豊川悦司、仲村トオルほか
製作年度 2006年
上映時間 108分

 少し古い作品だが、最近DVDを購入して観た。

 坂口(豊川悦司)は、特に動機もなく、ある一家の親子3人を惨殺し、その後、自分がその事件の犯人であると自ら名乗りを上げて警察とテレビ局に通報し、テレビ局が生中継する中で、自分自身の逮捕シーンを放映させる。そのニュースを見ていたOLの京子(小池栄子)は、坂口がカメラに向かってほほ笑んだのを目の当たりにした瞬間に、自分たちは同類だと直感し、それまで孤独と絶望の中で生きてきた京子は仕事も辞め、新聞を買い集めて、坂口の事件について調べ始める。
 坂口の刑事裁判が始まっても、坂口は一切黙秘を続け、事件の動機や反省を一切口にしない。
 京子は、毎回、坂口の刑事裁判の傍聴に行き、坂口の弁護人長谷川(仲村トオル)と接触して、差入れをしたいので紹介して欲しいと伝え、やがて、坂口と面会するようになる。やがて、坂口は控訴しないで死刑判決を受け入れると考えていた京子は、今後も面会するため自分と結婚することを求めて婚姻届を提出し、マスコミから取材に追われるようになる。
 ところが、控訴しないと考えていた坂口が控訴したことから、京子は、坂口を責めるようになる。ある日、面会の時に、坂口から、「自分が死刑になっても、お前は死なないで生きて欲しい」と言われる。
 その後、京子は、遮蔽板のない部屋での面会を望み、弁護人から申し入れて、拘置所長のはからいでその面会が実現するが、そこで事件が起こるというストーリー。

 この作品は、映画『UNloved』の万田邦敏監督が、殺人犯に共鳴し、心に惹かれていく女性の究極の愛を描いた作品だとされる。
 確かに、究極の愛情と狂気の両方を、主演の小池栄子はよく表現している。

 京子が、孤独で絶望感の中で生きていることが冒頭で描かれ、テレビで逮捕される際にカメラに向かってほほえんだ坂口と自分を重ね、「同志」であるように感じ、坂口と2人で社会と戦おうとしていく様子から、何となく理解できない訳ではない部分もある。しかし、映画の結末も含めて、終了後に残る違和感のようなものを感じた。

 ただ、狂気と愛情が紙一重のものであり、ちょっとしたきっかけから、愛情が狂気に向かうことはあるのだろうなということは何となく理解できたように思う。

 この作品は、最近の動機のない凶悪犯罪をテーマにしており、法廷シーンや拘置所での面会シーンが多く、裁判員制度が始まった現在、この作品を観ることも意味があるように思われる。

<参考になる映画評>
 前田有一の超映画批評
 映画『接吻-Seppun』を観て(KINTYRE’S DIARY)
 ミチの雑記帳

 

 

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